経済学で出る数学

ワークブックでじっくり攻める:応用問題


個人向け国債と手数料(損益分岐点)


【問】 平成$15$年$3$月に,新しい個人資産運用法として財務省が売り出した個人向け国債 は,額面$1$万円から$1$万円単位で購入ができる.適用利率は年$0.05\%$である. この国債の購入を大手銀行で申し込むと,口座管理手数料として年$1,260$円が求められた. また,利払時には,$20.315\%$の税率で源泉徴収が行われる.
(1) $100$万円預けた場合,1年後の利払いはいくらか?
(2) $100$万円預けた場合の源泉徴収額はいくらか?また税引後の手取りはいくらか?
(3) 税金や手数料を引いた後,実質プラスの利益を得るためには,いくら以上の額面を購入せねばならないか?その額を求めなさい.ヒント:購入額を$x$円とし,税引後の手取り額と手数料(1,260円)との大小を比較しなさい.

【解答】
  1. 利払い$1,000,000\times 0.0005=500$円.

  2. 源泉徴収額$500\times 0.20315=101.575$円.手取り$500-101.575=398.425$円 (つまり税引後の実質利回りは$0.0398425\%$)

  3. $1,260=x\times 0.000398425$ が分岐点. したがって,$x=\dfrac{1,260}{0.000398425}=3162452.155\approx 3,162,452$ 円以下だと損失が出る.

【解答終】

(作成:2016.03.15)
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