経済学で出る数学
ワークブックでじっくり攻める:応用問題
$2$次方程式とニュートン法
方程式$f(x)=0$の近似解を求めるために使われるのがニュートン法である.解に近い任意の$x_0$からスタートし,$x_k$が計算されたとし,$x_{k+1}$を
\[
x_{k+1}=x_k-\dfrac{f(x_k)}{f^{\prime}(x_k)}
\]
で定義し反復を重ねることで近似解を得る.
【問】 $2$次方程式
\[
100x^2-25x-84=0.
\]
に対して,$x_0=1$から始めて,反復を$2$回行い近似解を得なさい.
【解答】
$f^{\prime}(x)=200x-25$.
$1$回目の反復
-
$f(x_0)=100-25-84=-9$
-
$f^{\prime}(x_0)=200-25=175$
-
$x_1=1-\dfrac{-9}{175}=\dfrac{184}{175}\approx 1.051428$
$2$回目の反復
-
$f(x_1)=100\Bigl(\dfrac{184}{175}\Bigr)^2-
25\Bigl(\dfrac{184}{175}\Bigr)-84=
\dfrac{8100}{175^2}$
-
$f^{\prime}(x_1)=200\Bigl(\dfrac{184}{175}\Bigr)-25=
\Bigl(\dfrac{32425}{175}\Bigr)$
-
$x_2=\dfrac{184}{175}-
\dfrac{8100}{175^2}\cdot\dfrac{175}{32425}
=\dfrac{5958100}{5674375}
\approx 1.050001$
【解答終】
【メモ】
真の解は$x=1.05$である.ここを参照(内部収益率を求めるためにニュートン法が使われることがある).
【メモ終】
【Further Reading】
デービッド・G・ルーエンバーガー『金融工学入門』日本経済新聞社(2002)
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