経済学で出る数学
ワークブックでじっくり攻める:応用問題
単利と複利の比(利率$r$の関数)
$FV_{s}(r)$を,$a$円を利率$r$で$n$年単利運用した場合の将来価値とし,
$FV_{c}(r)$を,$a$円を利率$r$で$n$年複利運用した場合の将来価値とする.
複利と単利の比,
\[
f(r)=\dfrac{FV_{c}(r)}{FV_{s}(r)}
\]
は$r$について単調増加であることを示しなさい.
【解答】
$f(r)=\dfrac{(1+r)^{n}}{1+nr}$を微分すると,商の公式から,
\begin{align}
f^{\prime}(r)&=
\dfrac{n(1+r)^{n-1}(1+nr)-n(1+r)^{n}}{(1+nr)^2}\\
&=n(1+r)^{n-1}\dfrac{(1+nr)-(1+r)}{(1+nr)^2}\\
&=n(1+r)^{n-1}\dfrac{(n-1)r}{(1+nr)^2}\geq 0.
\end{align}
従って,$f(r)$は単調増加である.
【解答終】
【メモ】
複利運用と単利運用のギャップは利率が大きくなる程,大きくなることを意味している.
【メモ終】
ふろく(2)応用問題 一覧へ