経済学で出る数学
ワークブックでじっくり攻める:応用問題
1階の線形差分方程式
(作成 2016.02.29)
【問】 次の差分方程式(漸化式)で定められる数列$a_t$の一般項を求めなさい.また,数列$a_t$ が収束する場合はどんなときか述べ,その極限を求めなさい.
\[
a_{t+1}=ba_{t}+c
\]
【解答】
-
$b=1$のとき.$a_{t+1}=a_{t}+c$ は等差数列になるので,
\[
a_{t}=a_0+ct
\]
-
$b\neq1$のとき.$a_{t+1}=ba_{t}+c$ (1). ここで,方程式 $a=ba+c$ (2) を解く.
$\displaystyle a=\frac{c}{1-b}$.
$(1)-(2)$を計算すると,
\begin{align}
a_{t+1}-a&=b(a_t-a) \\
\\
(∴)a_{t}-a&=b^t(a_0-a).
\end{align}
したがって,$\displaystyle a_t=b^t(a_0-\frac{c}{1-b})+\frac{c}{1-b}
=b^ta_0+c\bigl(\frac{1-b^t}{1-b}\bigr)$.
-
$-1< b<1$ のとき数列 $a_t$ は収束し,極限は$\displaystyle \frac{c}{1-b}$
【解答終】
ふろく(2)応用問題 一覧へ