経済学で出る数学

ワークブックでじっくり攻める:応用問題


債券価格曲線の形状

【問】 債券価格$P(r)$は利率$r$の関数として,減少凸関数であることを示しなさい.

【解答】
 クーポン$C$,額面$F$,残存期間$n$の利付債は,利率$r$に対しその価格$P(r)$は,次式の通りになる. \[ P(r)=\dfrac{C}{(1+r)}+\dfrac{C}{(1+r)^2}+\cdots +\dfrac{C+F}{(1+r)^n} \] 微分すると, \[ P^{\prime}(r)=-\dfrac{C}{(1+r)^2}-\dfrac{2C}{(1+r)^3}-\cdots -\dfrac{n(C+F)}{(1+r)^{n+1}} < 0 \] なので,単調減少である.さらに$2$階微分すると, \[ P^{\prime\prime}(r)=\dfrac{(1\times 2)C}{(1+r)^3}+\dfrac{(2\times 3)C}{(1+r)^4}+\cdots +\dfrac{n(n+1)(C+F)}{(1+r)^{n+2}} > 0 \] なので,凸関数である.
【解答終】

【メモ】
割引債に対しては$C=0$とすれば,同じ結論が得られる.
【メモ終】

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