経済学で出る数学
ワークブックでじっくり攻める:応用問題
間接効用関数と支出関数の双対性
【問】 効用関数$u(x)$,価格$p$,予算$m$,効用水準$u$に対し,
次のふたつの問題を考える.
\begin{align*}
(P) v(p,m)=\max_{x}& \ u(x)\\[2ex]
s.t.& px\leq m
\end{align*}
\begin{align*}
(D) e(p,u)=\min_{x}& \ px\\[2ex]
s.t.& u(x)\geq u
\end{align*}
また次を仮定する.
(a) 効用関数は連続である
(b) 選好は局所非飽和である.すなわち,どのような消費であっても、その近傍にさらに好ましい(効用が高い)組み合わせが存在する
(c) いずれの問題にも解が存在する.
この時次を示しなさい.
(1) (P)の解を$x^*$とし,$u=u(x^*)$とすると,$x^*$は(D)の解である.
(2) (D)の解を$x^*$とし,$m=px^*$とし,$m≥0$を仮定すると,$x^*$は(P)の解である.
【解答】
(1) $x^*$が(D)の解でないとする.すると$x^{\prime}$が存在して,$px^{\prime} < px^*$で,$u(x^{\prime})\geq u(x^*)$となる.
選好は局所非飽和であるので,$x^{\prime}$の十分近くに$x^{\prime\prime}$が存在して,
$px^{\prime\prime} < px^*\leq m$かつ$u(x^{\prime\prime})>u(x^*)$となり,$x^*$が(P)の解であることに反する.
(2) $x^*$が(P)の解でないとする.すると$x^{\prime}$が存在して,$u(x^{\prime})> u(x^*)$で$px^{\prime}\leq px^*=m$となる.
$px^*>0$で,効用関数が連続なので,$\exists x^{\prime\prime}$で$px^{\prime\prime}< px^*=m$かつ$u(x^{\prime\prime})> u(x^*)$となる.
これは$x^*$が(D)の解であることに反する.
【解答終】
【Further Reading】
Hal R. Varian ‘Microeconomic Analysis; Third Edition,’ W.W.Norton & Company (1992)
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