経済学で出る数学
ワークブックでじっくり攻める:応用問題
ベイズの定理の計算問題
【問】
ある疾病は人口の$1\%$が罹患していることが分かっている.この病気の検査の真陽性率(実際に罹患している人が陽性となる確率)は$0.9$,偽陽性率(罹患していない人が陽性となる確率)が$0.2$であるとする.このとき,この検査で陽性と判定された人が,この病気に罹患している確率を求めなさい.
【解答】
病気に罹患している事象を$E_1$,罹患していない事象を$E_2$とし,検査で陽性となる事象を$A$とする.なので,$P(E_1)=0.01$,$P(E_2)=0.99$となる.
- 罹患している人が陽性となる確率:$P(A\mid E_1)=0.9$
- 罹患していない人が陽性となる確率:$P(A\mid E_2)=0.2$
なので,陽性と判定されたときに罹患している確率は,ベイズの定理から,
\[
P(E_1 \mid A)=
\dfrac{P(E_1)P(A\mid E_1)}{P(E_1)P(A\mid E_1)+P(E_2)P(A\mid E_2)}
=\dfrac{0.01\times 0.9}{0.01\times 0.9+0.99\times 0.2}
=0.03125.
\]
【解答終】
【Further Reading】
小島寛之『使える!確率的思考』ちくま新書(2005)
ふろく(2)応用問題 一覧へ